2011年10月26日水曜日

奉仕券

先日、食卓テーブルにふと見慣れないものがあり、何だろうと目が留まりました。
なんと、家内が大事に持っていた商店街の奉仕券台帳でした。
貯まりに貯まった奉仕券で1冊が出来上がり、近所の取り扱い店で500円に換金してきたそうです。
残りもあと3枚で、もう1冊が完成します。

そう言えば、昔はこうした奉仕券を集めてはよく台帳に貼ったものです。
そんな取り組みが今でも残っている事に、ちょっとした驚きと大変懐かしい思いに駆られました。

下段の写真の右が表紙で、真ん中が約20年前の裏面、左が最近のものですが、よく見ると20年の間に加盟店が半数以下になっています。更に今では奉仕券を取り扱うお店は、たったの4店に減ってしまったとのこと。おそらく台帳を刷り直すことも出来ず、在庫分を使い回しているのでしょう。その店主に聞くと、「まだ、このサービスはこれからも続けるからジャンジャン使ってね」との返事。しかし、他のお店では「もう、廃止でしょう」と…、反応が違います。
一時期は全国組織のグリーンスタンプやブルーチップ、助成制度のベルマークなどの奉仕券が出回り、1枚1枚貼って残りのマスが徐々に少なくなっていくのが子供心にも楽しみでしたが、残念ながらもうこのサービスが復活することはないのでしょう。

思えば今の土地に移り住んで、もう20年以上も経ちますが、やはり商店街の顔ぶれはガラッと変わりました。店主の世代交代とかテナントやチェーン店が進出して、地元のコミュニティにも少し影響が出ているようです。
以前は結構、駅前商店街で買い物をしたものですが、近所に大きなスーパーや、駅に私鉄系のスーパーが進出してから、私もほとんどスーパーで用を済ますようになってしまいました。

つい、クルマを使ってしまうことと、提携航空会社のマイルが貯まるので、どこでも何でもカード払いになってしまったのも原因でしょう。しかし、商店街のあり方と消費者のライフスタイルとが合わなくなっている本質的な問題を抜きには考えられないのかも知れません。それは商店街というビジネスモデルの大きな転換期ともいえます。全国の中心市街地が抱える課題と同様の現象が、自分の住む街でも進行し、更にその傾向に私自身が加担したり、奉仕券がきっかけで改めて難しい現実に思いを馳せる機会となりました。

一方、奉仕券に代わって個店独自でスタンプ制度を採用したり、チェーン店、スーパーなどが各自のポイント制を導入したり、大手家電店の実質値引きと同様のポイント制(値引き分を消費者から預かると批判もある)やコンビニなどは全国共通のポイントカードの普及に力を入れたり、携帯端末に機能を付加したり、顧客の囲い込みと様々なポイント還元サービス合戦が展開されるようになりました。お蔭でお客の財布は沢山のカードではち切れんばかりです。
こうしたポイント社会は便利で得した気分になりますが、逆に常に多くのカードを持ち歩かなくてはならない不便さと煩雑さが避けられず、また奉仕券やスタンプに比べるとやはり味気がありません。

今後は、ポイント還元の方法にも多様な取り組みも出てくることでしょう。
たとえば、貯まったポイントを医療機関や学校、児童施設などで使えるとか、銀行は使えば使うほど手数料を取られますが、一部には顧客サービスの視点からポイントが貯まる仕組みも取り入れられるようになりました。
いずれは、沢山のポイントカードを携行しなくてもよい時代も来ることでしょう。
ポイントカード大手陣営間の競争も激化しますので、考えもしない新しいサービスが技術革新とともに登場するかもしれません。
その切り札が携帯電話やスマートフォンなどの利活用となれば、またデジタルディバイドや情報リテラシーなどの新たな問題も起こります。
また、便利さの裏で、税制や会計上の課題、購買履歴や個人情報の扱い、独禁法とのかかわりなど現行法では対応できない大きな障害も無視できません。

社会の制度は市民意識の反映ですし、商店街の盛衰、便利さの追及とリスクへの備えは消費者一人ひとりの判断と行動が大きな意味を持つ時代になるでしょう。




                    

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